スマホの買い替えでは、「データの移行に失敗した」「アプリが使えなくなった」など、予期せぬトラブルが起きがちです。スムーズに新端末へ移行するためには、買い替え前の準備が不可欠です。
本記事では、iPhone・Androidのそれぞれに対応したバックアップやアプリの引き継ぎ方法、そして旧端末の処分やトラブル回避策までを網羅的に解説します。スマホを買い替える予定がある方は、ぜひ参考にしてください。
データバックアップと移行手順【iPhone】
iPhoneを新機種に買い替える際は、事前のバックアップと引き継ぎがとても重要です。iCloudやFinderを使ったバックアップ方法に加え、LINEや認証アプリ、Apple PayやeSIMといった日常的に使う機能もしっかり移行しておきましょう。このセクションでは、スムーズにiPhoneを乗り換えるための準備手順をわかりやすく解説します。
iCloud/Finderバックアップの手順と注意点
iPhoneのバックアップは、iCloudまたはパソコン(Finder/iTunes)を使って行うのが基本です。iCloudを使う場合は、Wi-Fiに接続した状態で「設定」→「Apple ID」→「iCloud」→「iCloudバックアップ」をオンにし、「今すぐバックアップ」を実行しましょう。
無料プランでは容量が5GBまでなので、写真や動画が多い場合は有料プランの検討が必要です。Finderを使う場合は、MacまたはWindowsに接続し、「iPhoneのバックアップを暗号化」を選ぶことで、LINEのトーク履歴や健康データも完全に保存できます。バックアップが完了してから新端末への復元を行うことで、データの取りこぼしを防げます。
LINE・認証アプリの引き継方法
LINEやGoogle認証システムなどのアプリは、バックアップだけでは完全に移行できません。LINEの場合は、事前に「設定」→「アカウント」から電話番号・メールアドレス・パスワードを登録し、「トークのバックアップ」をiCloudに保存しておきましょう。機種変更後に同じアカウントでログインし、バックアップから復元することでトーク履歴が戻せます。
認証アプリ(例:Google Authenticator)は、事前にサービスごとに再設定コードやQRコードを保存しておく必要があります。移行後にログインできなくなるケースがあるため、バックアップキーの保存や、SMS認証への切り替えなども検討しておきましょう。
eSIMプロファイルの再発行と設定手順
eSIMを使っている場合、機種変更時にはプロファイルの再発行が必要です。多くの通信事業者では、マイページや専用アプリから再発行申請を行い、発行されたQRコードを新端末で読み込む形で設定します。iPhoneでは「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」からQRコードのスキャンが可能です。
再発行の際には、本人確認やMNP予約番号の発行が求められることもあります。また、申請から反映までに時間がかかる場合があるため、旧端末が使えなくなるタイミングと合わせて注意が必要です。出先で通信ができなくなることを防ぐため、Wi-Fi環境下での移行をおすすめします。
データバックアップと移行手順【Android】
Androidスマホを新しくする場合も、Googleアカウントを活用したバックアップやデータ移行の準備が欠かせません。Android同士ならではのクイック転送機能や、電子マネー・ゲームアプリの事前対応、eSIMの再発行方法など、知っておくべき手順を整理してご紹介します。
Google Oneによるクラウドバックアップ
Androidスマホでは、Google Oneを利用してクラウド上にデータをバックアップできます。設定方法は、「設定」→「システム」→「バックアップ」から「Google Oneバックアップ」を有効にするだけです。バックアップされる項目には、アプリデータ・通話履歴・SMS・端末設定などが含まれ、写真や動画はGoogleフォトと連携することで保存されます。
ただし、無料プランの保存容量は限られているため、容量オーバーになる前に必要なファイルだけを選んで保存するか、100GB以上の有料プランに切り替えるのも選択肢です。定期的なバックアップが設定されていれば、買い替え時に自動的に復元できます。
ケーブル/Wi-Fiでのクイック転送方法
Androidでは、旧端末と新端末をケーブルやWi-Fiで直接つないでデータを転送する「クイック転送機能」が多くの機種で利用できます。Google PixelやGalaxyなどの機種では、初期設定時に表示される「以前のデバイスからデータをコピー」機能を選び、画面の案内に従って接続するだけで、連絡先やアプリ・写真・設定情報などを一括で移せます。
特にケーブル接続は安定して高速な転送が可能で、写真や動画が多い方にはおすすめです。Wi-Fiで転送する場合は、途中でネットワークが不安定になると転送が中断されることがあるため、できるだけ通信状態の良い環境で行いましょう。
LINE・電子マネー・ゲームの移行準備
LINEやおサイフケータイ、スマホゲームなどのアプリは、端末移行時にアカウント連携やデータの引き継ぎが必要です。LINEの場合は、事前にGoogleアカウント連携・パスワード設定・トーク履歴のバックアップを行い、新端末で同じアカウントにログインすれば移行できます。モバイルSuicaなどの電子マネーは、旧端末側でカード情報を一度サーバーに預ける「機種変更手続き」を済ませる必要があります。スマホゲームの場合、引き継ぎコードやIDを使った個別対応が求められるケースが多いため、移行前にそれぞれの公式ガイドを確認しておくと安心です。
eSIM再発行・APN再設定の手順
eSIM対応のAndroidスマホでは、機種変更時にeSIMプロファイルの再発行が必要です。多くのキャリアでは、会員ページや専用アプリから申請を行い、QRコード形式のプロファイルを新端末で読み込んで設定します。Pixelシリーズなどでは、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」からeSIMの追加が可能です。
また、eSIMを読み込んでも通信がうまくいかない場合は、APN(アクセスポイント)の再設定が必要になることがあります。キャリアの公式サイトで案内されているAPN情報を手動で入力すれば、多くのケースで解決できます。移行はWi-Fi環境下で行うのが安全です。
旧端末を安全かつ高く手放す方法
新しいスマホへの移行が終わったら、古い端末をどう処分するかも大切なポイントです。データの完全削除やロック解除を忘れると、個人情報流出や再利用の妨げになるおそれがあります。また、下取り・買取・リサイクルなど複数の処分方法についても比較しておきましょう。
データ完全消去とアクティベーションロック解除
旧スマホを手放す前には、個人情報を守るためにデータの完全削除が欠かせません。iPhoneの場合は「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」を選び、Apple IDのパスワードを入力してアクティベーションロック(iPhoneを探す)も同時に解除しておきましょう。
Androidも「設定」→「システム」→「リセット」→「すべてのデータを消去(初期化)」を実行し、Googleアカウントの削除も確認してください。端末にログイン情報が残っていると、買い手が利用できないことがあるため、ロック解除やアカウントのログアウトは忘れずに行うことが重要です。
下取りと中古買取の違いと選び方
スマホを売却する方法には、キャリア下取りと中古買取専門店の2種類があります。キャリアの下取りは、買い替えと同時に手続きができて楽ですが、査定額はやや低めになる傾向があります。一方、中古買取店やネットオークションを利用すれば、市場価格に近い金額での売却が可能です。
ただし、発送や査定の手間がかかるため、機種の状態や時間的余裕に応じて使い分けるのがおすすめです。傷やバッテリーの劣化具合によって査定が大きく変わるため、事前に相場をチェックしておくと納得のいく取引がしやすくなります。
まとめ
スマホの買い替えをスムーズに行うには、「データ移行・アプリ引き継ぎ・旧端末の処分」の3ステップをしっかり押さえることが大切です。最後に、この記事で紹介したポイントを振り返りながら、失敗のない買い替え準備を再確認しておきましょう。